大型

遠い昔の話だけれど、大学を卒業後の話、
入った会社をたった3ヶ月で家庭事情で辞めざるをえなくなった。

母の高血圧、父の関節痛で、兄は留学中だったので、私しか家業を支える人がいなかったから。

忙しいときは良かったが、製造業というものは好況不況の波が大きい。

季節的なものもあったりする。

そして仕事が少ない期間が少なくなると、社員をクビにできないので、20代の若い私をクビにするのである。

私は仕方が無く、本田技研鈴鹿工場、アサヒソーラーなどで期間工や仕事をすることになる。

時には、両親から「大型免許を取って、トラックの運転手をめざせ」と言われたときは、むなしさが激しかった。

親のために、家業のために、我が家を支えるために、大学を卒業後気に入って入った会社をたった3ヶ月で辞めることになり、挙げ句の果てには「トラックの運転手をめざせ」と言われる。

もちろんこどもの頃からトラックの運転手はやりたかった仕事で、運転は好きだし、仕事そのものはいいけれど、あまりにも便利屋扱いをしてくる親には腹立たしさをおぼえた。

気に入って入った会社を辞めなきゃ良かったとさえ思った。

それがめぐりめぐって、今がある。

でも、きょうだいからは「あいつは甘い汁を吸ってきた」といまだに思われている。。。

家族関係では、そんな不本意きわまりないことがとても多かった。

けれど、親にはささえてもらったことも多かったし、
そういういろんなマイナスがおおきかったから、人生の絶対値を考えたとき、今の状況になれたことにありがたみを感じている。